石臼製粉について |
現在のそば製粉方法は大別すると、ロール製粉と石臼製粉となります。
実際の製粉工場では、大量生産・何種類もの粉を取り分ける場合にロール製粉、高級な粉・全粒粉といった場合に石臼製粉が行なわれています。
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石臼製粉とロール製粉は、次の特色があります。
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粉砕方法
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軽圧力による面粉砕
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直線的な加圧粉砕
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粉の粒度分布
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微粒粉から粗い粉まで粒度の範囲が広い粉(微粉がたくさん生成される)
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範囲が狭く粒度が整った均一化した粉
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回転速度
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遅い 14〜30回転/分
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速い 320〜400回転/分
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粉の風味
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一般的に熱の発生は少ないとされているため(低回転に加え、上臼の溝のわずかな隙間による通気効果による)、風味の良い粉が得られるが、日持ちがしない
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何度もロールに通すため、一般的に石臼製粉に比べ熱の発生が多いとされており、空気に触れる率も多いため風味がとびやすい
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生産能力
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極めて低い
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大量生産ができる
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目の寿命・加工
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生産量に比べ摩滅が速く、技術を要する
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寿命が長く、機械加工によりメンテナンスが容易
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三輪茂雄氏の文献を一部参考にしました
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以上のような特色をふまえ、次のような仕様にしています。
1.石臼の種類・大きさ
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安山岩 |
標準 |
直径540o(1尺8寸) |
厚み |
上臼200o(約100s) |
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下臼150o |
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小型 |
直径340o(1尺1寸) |
厚み |
上臼150o(約30s) |
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下臼135o |
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昔ながらの水車碾きの石臼を調べてみると特殊なものを除き、1尺4寸〜1尺8寸のものが多く、現在のモーターによる駆動方法、メンテナンスの問題を考え、業務用(標準)は540φ、店頭用(小型)は340φの大きさにしています。
また、石臼の目の形状は、当社独自の半円形となっており、粗碾きでありながらも、しっとりとした粉になるのが特徴です。
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2.回転速度(周速) |
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回転数 |
17〜20回転/分 |
周速 |
0.5〜0.56m/秒 |
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手で回す石臼の周速は、0.5〜1m./秒であったため、上臼の重さや、粉砕時の熱の発生を最低限に抑えること(弊社のロール製粉機と比べると、石臼製粉の方が熱の発生が多いことがある)を考え、粉が焼けないように、そしてしっとりとした粉が出るように確かめながら決定しています。
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3.ヌキの供給方法 |
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石臼製粉は、一回碾きが原則です。ヌキの供給量により粉の性質が変わると共に歩留りも違ってきます。石臼の性能を最大限引き出すために、二ヶ所からヌキを供給し、一回転毎にヌキの供給場所が変わるランダム型としています。 |
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